ストレスと食事

  • コラム

私達の健康に日常のストレス調節は深く関係しています。
普段、私達は外部からの様々な刺激(ストレッサー)に対して心や身体を応答させ、その刺激に適切に対応しています。しかし、幾つかのストレス条件が重なったり、そうした頻度が続いていくと、私達の身体的、精神的健康が低下していきます。
この予防、改善のためにも食事や運動、気晴らしなどを生活に取り入れることはとても大切です。



ストレス抵抗力を高める食事の中の栄養素に多価不飽和脂肪酸の摂取があります。
多価不飽和脂肪酸には有名なものとしてリノール酸やアラキドン酸などのn-6系(炭素の二重結合が6番目にある)やαリノレン酸やドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペタエン酸(EPA)などのn-3系(炭素の二重結合が3番目にある)があります。
これらは必須脂肪酸とも言われておリ私達の体内で合成することが出来ないため食事からの摂取が必要です。特にEPA やDHA は魚に豊富に含まれています。



健常成人男女44名を対象とした介入試験からは1日にEPA 800mgとDHA1600mg を6週間摂取することによりストレスホルモンであるコルチゾールが低下することが報告されています(J Int Soc Sports Nutr. 2010)。
魚の摂取はストレスをうまく制御し健康をアップさせることが期待されます。



山形県立米沢栄養大学 
健康栄養学部 教授

加藤 守匡(Morimasa Kato)

 

写真:加藤教授