梅雨〜夏の体調不良は食事で対策|冷えに効くタンパク質と甘露煮魚の効果
梅雨から夏へ向かうこの時期は、日々の気温差や湿度の高さ、そして室内での冷房の影響により、体調を崩しやすくなります。
特に冷房によって低温の室内に長時間いると、深部体温や末梢の血液循環が低下しやすくなり、冷えを感じることも増えてきます。
私たちが食事を摂ると、栄養素の消化・吸収・代謝・貯蔵にエネルギーが使われ、これを「食事誘発性熱産生(DIT)」と呼びます。中でもタンパク質はDITが最も高く、その際に生じる熱は深部体温の維持に大きく貢献します。
甘露煮に使われる魚には良質なタンパク質が豊富に含まれており、冷えを感じやすい方にとって、日々の食事に取り入れることで体温の維持に役立ちます。
また、DITは1日のカロリー消費量の約10%を占めるとされており、ダイエットや肥満予防への作用も期待されています。
実際は、食べ方や生活習慣によりその割合は変化することもあるため、確実にDITによる熱エネルギーを生み出すためにもタンパク質豊富な甘露煮魚の摂取はお勧めです。
山形県立米沢栄養大学
健康栄養学部 教授
加藤 守匡(Morimasa Kato)